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Skyrim SE Novel style diary

「The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition」のプレイ日記です。日々のプレイを記録するだけでなく、小説風のテキストに仕上げています。

【SkyrimSE:day4】わたしを英雄と仕立て上げることがあらかじめ台本上の設定として決まっているかのようだ

旅路

 整理しておこう。わたしは眠りに落ちると、それがトリガーとなってスカイリム(という世界だと知った。それが王国の名なのか、地方全体を指す名のかはまだわからない)に導かれる。そこで見る現実のような夢は、視覚と聴覚だけのまるでテレビゲームのプレイシーンを見ているような感覚だ。あまりテレビゲームをやったことはないが、それは以前同僚のキノという女性の部屋で見させてもらったものとよく似ている。眠りから導入される夢のようなものだから、この点においては、わたしの脳の深層領域に眠る記憶や思考様式といったものと何かしらの結びつきがあると考えている。

 一方そこで展開されるストーリーやオブジェクトといったものは、到底わたしの内部から発現したものとは信じがたいものばかりだ。つまり、情報を処理する仕組みはわたしそのものに由来しているが、それを通じてわたし自身のより深い部分に接続されているというのではなく、"外部の何か"を受信しているという風に考えるのが、今のところ素直な筋道だと思える。

 キノに病院を紹介してもらうように頼んである。スカイリムのことは話していない。ちょっと仕事が立て込んで精神的にまいっている、と説明しておいた。できればカウンセリングを受けられるような病院がいいんだけど、と。彼女はわたしより2つ年上だが会社では同期ということもあり、最も気心の知れた友人だ。もしわたしが抱える状況が一人ではどうにも受け止めきれなくなったら、まず頼るのは彼女になるだろう。今のところはなんとかやっていけそうではあるが。

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 病院を探してもらう間も、毎夜眠るごとに”あちら側”に導かれ続けることに変わりない。

 リバーウッドのジャルデュル、彼女はヘルゲン砦を共に脱出したレイロフの姉だ。レイロフの計らいでリバーウッドに滞在する間は彼女の家を自由に使わせてもらった。そして彼女の頼みでホワイトランという要塞へ、ドラゴン襲撃に備えた救援を要請する役目を負うことになった。

 

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 またもドラゴンの襲撃だ。あの時ヘルゲン砦を襲ったドラゴンだろうか。ドラゴンとは何なのだろう。ただの生き物なのか。神の使い、という類のものか。世界に1体だけ存在するのか。そこらに幾つもの個体が存在するのか。人間と似ているが異種の者と思われる女兵士と共に、わたしはドラゴンに再び出会う。今度はこちらから出向く番のようだ。

 

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 やれやれ全く。わたしはお前たちを囮に弓を引いていただけなのだが。どうも、現実感に欠ける(現実ではないのだが、おそらく)。まるでわたしを英雄と仕立て上げることがあらかじめ台本上の設定として決まっているかのようだ。昔見たアドリブの多い演劇を思い出す。あるシーンの最初と最後のセリフだけ決まっていて、中間はアドリブで役者達が好きなように演じて良い、という設定で、その回ごとにちょっとした即興劇を演じる。頃合いを見て「と、いうことで俺たちは今からお前を殺すのさ」と誰かが言えばそれで即興劇はお終い。その手前にどんなコメディ的展開があろうとも、その合図でシリアスな本編に引き戻される。もちろんそれを「不自然だ」と怒る客はいない。むしろそのコメディも観客に向けたちょっとしたサービスとして受け取られる。それを楽しむことも観客側の嗜みだ。

 わたしはスカイリムにおいて、何かの役割、ロールを演じることを求められているのだろう。場面ごとにいくつかの選択肢を提示してきて、さも自由に自らの意思で物語を生きていると錯覚させようとするが、この世界の果てにはわたしにロールを与える神のごとき存在がいる。わたしは彼の導きに従い、誘い出されているに過ぎない。"こちら側"には神はいない。少なくともわたしが生きる"こちら側"の世界に上位者の気配は感じない。だがスカイリムには…、広がる大地の向こう側に、頭上のはるか遠くの空に、神の存在を感じる。

 拒否権はない。毎夜強制的に召喚されるのだから。ならば、神に弄ばれようとも先に進むしかない。今は。

 

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